nbhrskmtの日記

備忘録

耳は大切に

ブログ練習を兼ねて(その3:markdownの表)

経緯

Yahooニュースで変な記述がある記事を先日みかけた。 元記事だろう「10億人の若者に難聴の恐れ、安全でない聴き方に警鐘」というCNNの記事を確認することにした。 いくつかのことがわかってきたので、後日反省が可能なように備忘録。

変な記述

当該箇所

CNN日本語記事 CNN英語記事
だが今回の研究によれば、1日に2時間半聴いただけで約92デシベルに相当する。 If you are listening for only 2½ hours over a day, that is the equivalent of about 92 decibels, the study said.

日本語記事の記述に二点変なところがある。 英語記事にも変なところがある。 和訳する時に気づいて欲しいが、CNNの英語記事自体が誤解を招く書き方をしているのではないか。

  • 「今回の研究」が一次文献だという誤解を招くかもしれない。
    • 「今回の研究によれば」ではなく、「今回の研究」が引用した文献を参考「にすれば」という意味でしょう。
    • 「今回の研究」の当該箇所において引用している文献番号は4番と15番の二つ。
  • どの音量で聴いても「1日に2時間半聴いただけで約92デジベルに相当する」というような誤解を招くかもしれない。
    • 伝えたいことは「約92デシベルで聴いた」場合「1日に2時間半」以下に抑える必要があるという意味でしょう。

「今回の研究」の内容を翻訳者は理解したのだろうか疑問に思う。

題名にも疑問

日本語記事の題名は煽るだけになっている。 しかし英語記事は解決法の存在も示す題名になっている。

CNN日本語記事 CNN英語記事
10億人の若者に難聴の恐れ、安全でない聴き方に警鐘 Study shows 1 billion young people are at risk for hearing loss. This is how to prevent it

「10億人の若者に難聴の恐れを示す研究、難聴を避ける方法とは」というような題名を私は日本語記事に期待した。

今の所の私の理解のまとめ

当該箇所の表現が誤解を招くと思う。 以下二種類の誤解が混入していると思う。

  • 英語記事の表現は、誤解を招く表現である。
  • 日本語記事は、英語記事の誤解を招く表現に誤解を重ねて翻訳したようにみえる。
    • 日本語記事から英語記事へのリンクを見つけられていない。記事の題名において英語版と違うところがあるが、日本語記事の責任者が変更したのか。日本語記事と英語記事は同じような内容にみえるが実は別記事なのだろうか。英語記事を翻訳したものが日本語記事と思ったが私の勘違いか。勘違いとしても日本語記事も英語記事も表現が変だけど。

記事の結論が適切に見えるだけに、細部の表現の不適切さがもったいない。

提案

我々への提案
  • 自明だが、CNNといえど内容を疑ってかかること。
    • 一般に、NHKであっても内容を疑ってかかること。
  • 元の論文があるなら、それを読むこと。
cnn.co.jpへの提案
  • 題名に「抄訳」とか「意訳」とつける。
  • リンクをつける。
  • 訳註をつける。
  • 改訂する。履歴を残す。

無料の記事では無理だろうか。

詳細

参考

CNN

日本語記事

www.cnn.co.jp

気になった箇所:

疾病対策センターCDC)が定める安全な騒音レベルの限度は85デシベルで週40時間程度。だが今回の研究によれば、1日に2時間半聴いただけで約92デシベルに相当する。

英語記事

edition.cnn.com

The US Centers for Disease Control and Prevention limits safe noise levels at around 85 decibels over 40 hours a week. If you are listening for only 2½ hours over a day, that is the equivalent of about 92 decibels, the study said.

今回の研究

CNN日本語記事がいう「医学誌BMJグローバル・ヘルス」に発表された以下が「今回の研究」。 CNN英語記事からリンクされたものが以下pdfファイル。

http://press.psprings.co.uk/gh/november/bmjgh010501.pdf (2022-12-14 リンク挿入間違えたようなので修正)

当該箇所の元になっただろう記述

「今回の研究」において92 dBと書いている所は一箇所だったのでたぶんこの記述。CNNの英語記事よりもわかりやすい英語。

For example, based on a maximum permissible level of noise exposure of 80 dB for 8 hours a day (40 hours/week) with a 3 dB exchange rate, the permissible exposure time of a 92 dB sound is 2.5 hours, of a 98 dB sound is 38 min, and of a 101 dB sound is only 19 min.

「今回の研究」とCNN日本語記事は書いていますが「研究」の言葉の意味するところに注意。 92 dBの音にさらされても許容できる時間は2.5時間というくだりは、「今回の研究」で初めてわかったことではなく、参考文献を参照する必要がある。