共感覚について勉強中
経緯
- 音楽を聴いていて、ある音がつるつるしている、ざらざらしている、とか、ある音が硬い、柔らかいとか感じるのは何故なのか。ある方の評論を読んで意識するようになった。昔のこと。
- 当初は修辞(rhetoric)の話かと思っていた。ただし:
- 黄色い声といっても、声が黄色であるわけではない。
- 白色雑音(white noise)といってもnoiseが白色であるわけではない。
- NHK教育テレビジョンにおいてサヴァン症候群を扱った番組を視聴し、そこで共感覚(synesthesia)という言葉を知った。てがかりかもしれないと思った。
それから十数年後 ST-90-05の使い方 - nbhrskmtの日記
ST-90-05で音楽を聴いていて、柔らかさを感じる通様相性現象*1がありました。
と書いた。
調べてみたこと
- 手元の電子辞書で「共感覚」を調べるとブリタニカ小項目事典日本語版にあり「通様相現象」項目へのリンクになっていた。 intermodalityというらしい。
- intermodalを電子辞書で調べると、英和辞典の中に心理学の用語しての記述があった。英和辞典なので不採用。
- 電子辞書の英英辞典にintermodalは存在したが心理学の用語としてのintermodalがみつからなかった。
- グーグル検索してみた。関係しそうな用語がみつかった。
- ブリタニカ英語版だとSynesthesia | Definition, Types, Examples, & Facts | Britannicaだった。inter-とかcross-というような用語を避けて書いているようだ。
- Crossmodal - Wikipedia
- 「クロスモーダル」とか「クロスモーダル現象」とカタカナ表記がウィキペディアの外に存在するので、これのことかもしれない。
- cross-activation説
「共感覚についての最近の知見」(2010)
cir.nii.ac.jp これを読んでみよう。 あ。typoみっけ。「触角」は誤り。本当は「触覚」だね:)
1.はじめに
- intramodal synesthesia
- intermodal synesthesia
- 例:色聴(colored hearing)
私が調べているのは、intra-の方ではなくて、inter-の方だろう。
2.共感覚の一般的な特性
- unidirectional
3.共感覚の実在性
4.共感覚の種類
- sound synesthetic taste
- 甘い音と私が感じたのはこちらかな。
- sound synesthetic touch
- 柔らかい音と私が感じたのはこちらかな。
5.共感覚にみられる個人差
8.共感覚と記憶
10.共感覚の説明理論
- cross-activation説
宿題
- 最近の論文を探そう。他の学説も学ぼう。
- 本現象の先天的であるところはどこで、後天的であるところはどこか。
- 音楽におけるtextureに本現象は関係しているか否か、関係しているとしてどう関係しているか。
- 本現象を共感覚と呼んでよいのか。
提案
音を説明する際、隠喩よりも直喩で私は言うべき。 例えば「柔らかい音」とは言わず「(触覚に)柔らかさを感じさせる音」と言えば、 いわゆるオカルト呼ばわりを少し減らすことができるかも。
注意事項
- 本現象が異常と主張したいわけではない。
- 本現象がある人の能力が優れていると主張したいわけではない。